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まず、湿布の歴史からご紹介しよう。
          その発祥は紀元前のギリシアと言われておる。
          意外にも、湿布は西洋の医療で使われていたんじゃな。
          あのイエス・キリストよりも早く生まれていたということは、もしかしたらキリストも湿布を使っていたかもしれんなぁ。
●湿布の種類
          湿布には、厚いタイプの「パップ剤」と、薄いタイプの「プラスター剤」という2種類があるんじゃ。
          パップ剤は、ギリシアのヒポクラテスとその一派が作りだしたと言われておる。患部を冷やしたり温めたりする治療(罨法"あんぽう"ともいう)製剤として使われていたんじゃと。 
          
           ヒポクラテス(紀元前460年~?)
ヒポクラテス(紀元前460年~?)
          古代ギリシア医学の父。
          呪術的な因縁に基づいていた当時の医学と決別し、体系的な観察と病気の原因の追及により現代の医学思想のおおもとを築いた。
             今のような成形パップは
            日本では1970年代に出てきたんじゃが、これは1900年代の初めにアメリカが作りだした泥状パップを輸入して、それを元に開発したものなんじゃ。
今のような成形パップは
            日本では1970年代に出てきたんじゃが、これは1900年代の初めにアメリカが作りだした泥状パップを輸入して、それを元に開発したものなんじゃ。 
            ところでこの泥状パップ、グリセリンにサリチル酸メチルや薄荷油などを配合した薬剤を使うたびに布の上に塗って延ばして、貼った後に包帯をして…と非常にめんどくさいモノでな。
            その点、今普及している成形パップは貼るだけでいいように作ってあるのでとっても便利じゃの。

 プラスター剤の生まれは西洋じゃが、ヨーロッパを経由して中国に入って、そこから日本に入ってきたのが 江戸時代後期から幕末にかけて。
プラスター剤の生まれは西洋じゃが、ヨーロッパを経由して中国に入って、そこから日本に入ってきたのが 江戸時代後期から幕末にかけて。
          おじいちゃんやおばあちゃんが、よく「硬膏」という言葉を使っているのを 聞いたことはないかの?その「硬膏」こそ、日本のプラスター剤の元祖なんじゃよ。 
 そうそう。明治から大正にかけての民間療法で、芥子(からし)やじゃがいもを泥状にして胸などに貼る湿布療法があったそうじゃ。肺炎や気管支炎に効いていたらしいぞ!
そうそう。明治から大正にかけての民間療法で、芥子(からし)やじゃがいもを泥状にして胸などに貼る湿布療法があったそうじゃ。肺炎や気管支炎に効いていたらしいぞ! 
とまぁ、こういう経緯で湿布は生まれ、人々に使われていったんじゃが、しだいに西洋より東洋で使われることが多くなっていったようじゃ。 やっぱり中国で使われている薬(漢方やお酒など)と湿布の相性が良かったからかも知れんな。



どちらを使えばいいか分からない場合の判別法じゃが、冷たいタオルなどで冷やしたら気持ちいい場合は冷湿布、 お風呂に入って温まると心地よくなる場合は温湿布を使うようにすればいいじゃろう。先ほどの「急性」の患部をお風呂につけると痛みが増してしまう事からも分かるんじゃ。


パップ剤は水分を含んでいるのでこの水分の蒸発作用により冷却効果があります。
              もちろん温湿布にも水分が含まれていますので、貼ったときはひんやりしますが、時間とともに成分の効果で温かくなってきます。
        
 次にプラスター剤なんじゃが、プラスター剤(硬膏剤)はパップ剤と違って水分を含んでいない。脂溶性の高分子の基材に、パップ剤に使われている成分と同じ薬剤が含まれているんじゃ。
        水分を含まない分、パップ剤ほどの冷却効果がないので慢性疾患にもよく使われておる。
次にプラスター剤なんじゃが、プラスター剤(硬膏剤)はパップ剤と違って水分を含んでいない。脂溶性の高分子の基材に、パップ剤に使われている成分と同じ薬剤が含まれているんじゃ。
        水分を含まない分、パップ剤ほどの冷却効果がないので慢性疾患にもよく使われておる。

 さて、それでは湿布の成分のお話に移ろう。
さて、それでは湿布の成分のお話に移ろう。
        
        ●湿布にトウガラシ? 
        普段薬局・薬店などで売られている湿布は、だいたい以下のような成分を含有しておる。
        
| サリチル酸メチル | 知覚神経の末梢に作用して、軽い知覚麻痺を起こさせ、痛みを鎮める成分です。局部の血の流れを良くすることで溜まった老廃物が排除されやすくなり、新陳代謝を高めます。 | 
|---|---|
| dl-カンフル | 穏やかに局部を刺激することで血行を良くし、鎮痛効果をもたらす成分です。 | 
| l-メントール (冷湿布成分) | 冷やす効果のある成分です。冷感により細胞の活動が抑えられるので腫れを抑え、痛みをやわらげます。 | 
| トウガラシエキス (温湿布成分) | 温める効果により血管を拡張させ、血行をよくする成分です。 | 
 温湿布にトウガラシエキスが入っているなんて、意外かも知れんな。 トウガラシは食べても身体があったまるじゃろう。それと同時に、皮膚そのものの温度も上げてくれるんじゃ。
          1時間くらいで皮膚の温度は31℃から33℃、約2℃も上がる。 はがした後もしばらくは温度が下がらないので、お風呂に入る30分前にははがした方がよかろう。
温湿布にトウガラシエキスが入っているなんて、意外かも知れんな。 トウガラシは食べても身体があったまるじゃろう。それと同時に、皮膚そのものの温度も上げてくれるんじゃ。
          1時間くらいで皮膚の温度は31℃から33℃、約2℃も上がる。 はがした後もしばらくは温度が下がらないので、お風呂に入る30分前にははがした方がよかろう。
      
         ●インドメタシンってよく聞くけれど… 
          最近はCMなどでもよく耳にする「インドメタシン」などの経皮吸収型鎮痛消炎剤を含有している湿布もある。これらは鎮痛消炎効果がより高く、お医者さんでいただく湿布はこのタイプが多いんじゃよ。 
 インドメタシン
インドメタシンインドメタシンなどの非ステロイド性の鎮痛消炎剤を含有した貼付剤が製造承認されたのは1988年。 これを境に、今までの湿布を「第一世代」、鎮痛消炎剤を含む経皮吸収型を「第二世代」と呼ぶようになったんじゃ。
 

●飲むのと貼るのとでは大違い
             「痛ければ湿布を貼るより、痛み止めを飲めばいいんじゃないか?」
          と思ったことのある方も多いはずじゃ。ところが、飲み薬は血液に直接混ざって全身をめぐるため、 薬剤の血中濃度がとても高くなり、副作用の危険が高いんじゃよ。
          その点、湿布を貼ったときの薬剤の血中濃度は飲み薬の10分の1で済み、しかも患部である筋肉に到達する薬剤濃度は、飲み薬のなんと30倍(動物実験による)にもなるんじゃ!局所の痛みへの効果が高く、副作用も少ない。それが湿布なんじゃよ。
          湿布はすごい薬じゃろう? じゃが、いくらすごいからと言って貼りすぎは良くないぞ! 用法・用量はキチンと守るのが安全の秘訣じゃ。
「痛ければ湿布を貼るより、痛み止めを飲めばいいんじゃないか?」
          と思ったことのある方も多いはずじゃ。ところが、飲み薬は血液に直接混ざって全身をめぐるため、 薬剤の血中濃度がとても高くなり、副作用の危険が高いんじゃよ。
          その点、湿布を貼ったときの薬剤の血中濃度は飲み薬の10分の1で済み、しかも患部である筋肉に到達する薬剤濃度は、飲み薬のなんと30倍(動物実験による)にもなるんじゃ!局所の痛みへの効果が高く、副作用も少ない。それが湿布なんじゃよ。
          湿布はすごい薬じゃろう? じゃが、いくらすごいからと言って貼りすぎは良くないぞ! 用法・用量はキチンと守るのが安全の秘訣じゃ。 
 湿布のこと、だいたい分かっていただけたかな? 湿布は「貼って気持ちがいい」ことが基本じゃ。この「気持ちよさ」が、自然治癒力を高めてくれるんじゃよ。
          これからも湿布を上手に使って、健康ライフを送っておくれ!!
湿布のこと、だいたい分かっていただけたかな? 湿布は「貼って気持ちがいい」ことが基本じゃ。この「気持ちよさ」が、自然治癒力を高めてくれるんじゃよ。
          これからも湿布を上手に使って、健康ライフを送っておくれ!!
